6.内容等
(1)医療における放射線管理の充実と在宅医療
厚生省の「放射線管理の充実に関する検討会」報告書を中心に在宅における放射線検査の現状を報告した。
(2)在宅医療における医療放射線の安全利用
国民の医療放射線被曝が世界一高い値であることをふまえ、合理的な放射線利用が必要である点と在宅での診療の注意点を紹介した。
(3)末期がん在宅ケアにおける放射線診療の問題点
末期がんの在宅医療の体験例から患者と家族の不安を軽減するためにも必要であるが、疼痛緩和を進める点や骨折確信に放射線診断は不可欠。診療報酬の配慮が必要であると説いた。
(4)在宅看護の現場からみた放射線診療の現状と課題
在宅看護で遭遇する肺炎、骨折の疑いや、在宅か入院かの選択、家族への説明・合意に有効であった。問題点は精度と効率。地域における検査体制は皆無に等しい。
(5)在宅医療における放射線の利用−市民が抱く期待と不安−
岩手県遠野市、広島県歯科医師会の訪問診療の例を紹介。市民の放射線に対する漠然とした恐れに対して、正しい情報の提供が必要。新技術の採用、情報管理の充実についての議論が待たれる。
(6)デジタルX線画像診断システムの在宅医療への対応
デジタル画像の有用性は在宅診療等に貢献するところが大きい。既に移動用のシステムが製作され岩手県で運用されている。
(7)携帯型X線装置の現状と今後
装置の高性能化をめざして開発が進められている状況を紹介。重量と装置保持、安全性について関係者との交流で改善を図る。
最後に、来場者との間に活発な意見交換が行われ、チームの医療の推進と関連団体の協力と市民の参加で、今後の展開と国民の合意を得るよう努めることでまとめた。
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